【民法解説】物権と債権の違いって?物権とは何か・物権的請求権・物権法定主義など、キホンをわかりやすく解説!

この解説記事のまとめ
この解説記事では、物権の基礎について解説しています。行政書士試験の学習においては、民法の物権で登場する論点です。
物権とは「物に対する直接的な権利」であり、「人に対する権利」である債権とは大きく異なります。また、物権を有していると、その物に対して「他人による不当な侵害や妨害」があった場合、同行為の排除・回復を求める物権的請求権という権利を行使できる可能性が生じます。
物権についての基本的な内容を、イラストや図解を用いてわかりやすく説明していきます。しっかり理解し、今後の物権学習の土台を築きましょう。
物権って「物権変動」とか「抵当権」とか、行政書士試験でもかなり出題されるテーマが多いイメージがあるよ..。
その通り!物権分野は試験合格のためにはマスターが必須じゃ。この記事で物権の基礎的な内容をしっかりして、今後の学習に繋げてほしいぞい。
目次
物権とは?分かりやすく簡単に解説
初めに、そもそも物権とは何か?について解説していきます。まずは物権自体についての理解を深め、権利の全体感を掴みましょう。
物権とは?どんな権利?

物権とは、自分の物を自由に使ったり、人に貸したりできる「物に対する直接的な権利」のことです。
例えば、「所有権」を有していれば、その物に対して「所有する権利」が認められ、「留置権」を有していれば、その物に対して「留置する権利」が認められます。
ここでは一旦、物権とは「物に対する権利」であると覚えておけばOKだね。
物権の「物」の定義
物権とは「物に対する権利」であるという話をしましたが、では「物」とは何を指すのでしょうか?
民法 第八十五条を見ると、物権の「物」とは「有体物」であると定義されています。

有体物とは「物理的に存在し、形や質量を持つもの」を意味し、例えば「家や土地、自動車」などです。一方、有体物に対して「物理的な形がなく、触れられないもの」を「無体物」と呼び、こちらは著作権や特許権などが該当します。
繰り返しとなりますが、物権の対象となる物は、家や土地、自動車等の「有体物」であると理解しましょう。
不動産と動産の違いは?
では、そんな「有体物」の中でも「不動産と動産の違い」はどこにあるのでしょうか。

民法 第八十六条では、「土地及びその定着物は不動産」であると明記されています。土地はイメージそのままかと思いますが、「その定着物」とは、例えば家などの建物を指します。
そして同じく第二号にて、「それら以外の物は全て動産」であると記載されています。つまり、不動産と動産の違いを考える際は、まず「それが不動産か?」を考え、もし該当すれば不動産、該当しなければ動産と判断すればOKです。
動産だろうが不動産だろうが、物であることに違いはないので、どちらも物権が作用する対象となるぞ。
物権と債権の違いは?
物権とは「物に対する権利」であり、ここまでは「その物」について少し深掘りをしてきました。では「債権との違い」はどこにあるのでしょうか?

大きな違いは、物権は「物に対する権利」であったのに対し、債権は「人に対する権利」であるという点です。
物権の場合、例えばそれが所有権であるならば、その物に対して所有する権利を有します。しかし、債権は「人に対する権利」のため、例えば「貸したお金を返すよう、その人に請求できる権利」や「購入した商品を引き渡すよう、その人に請求できる権利」を意味します。
債権の「債」という字は、「ニンベン」に責任の「責」という組み合わせで成り立っておるじゃろう。つまり、その「人(ニンベン)」にその「責任(責)」を果たしてもらうための権利と理解すればわかりやすいぞ。
物権の種類は?全10種を簡単に紹介
物権には「占有権、所有権、地上権、永小作権、地役権、入会権、留置権、先取特権、質権、抵当権」の計10種が存在します。
物権の種類(全10種)
占有権:物を事実上支配している状態に基づく権利。他人の物でも占有していれば一定の保護を受けられる。
所有権:物を自由に使用・収益・処分できる最も強い物権。
地上権:他人の土地を借りて、その上に建物などを建てるための権利。
永小作権:他人の土地で農業などをするために使う物権。農地の利用に特化した地上権に似た権利。
地役権:他人の土地を自分の土地のために使える権利。典型的なものとして、通行や排水などが挙げられる。
入会権:村や地域の共有地を利用できる権利。山や川での共同利用に関する伝統的な権利。
留置権:他人の物を預かっているときに、債務を履行してもらうまで返さないでいられる権利。
先取特権:特別な法律上の理由で、他の債権者よりも先に弁済を受けられる優先的な権利。
質権:債権の担保として物を預かり、返済がなければそれを売って弁済にあてる権利。
抵当権:担保にした不動産などを占有せずに設定できる権利。返済がなければ裁判所の手続きで競売して回収することができる。
なお、行政書士試験対策としては、特に「占有権」や「抵当権」が最も重要です。
それに対し、地上権や永小作権、地役権などはややマイナーな論点とされているぞ。時間に余裕があれば全てしっかり触れるのも良いが、まずは優先順位をしっかり付けて学習し、試験でも頻出の分野は特に力を入れて学習するのじゃ。
物権的請求権とは?3つ全てをわかりやすく解説

その物に対して物権を有していると、その物権に基づいて、「他人の不当な侵害や妨害に対して排除・回復を求める」ことができる場合があります。
例えば、自分が所有している土地に勝手に物を置かれた場合、それを撤去するよう請求することができるということです。
そうした権利を物権的請求権と呼び、主に三つの種類があります。
物権的請求権(全3種)
物権的返還請求権:占有を奪われた物権を取り戻すための権利。
妨害排除請求権:占有以外の方法で妨害された物権を保護するため、その妨害を排除する権利。
妨害予防請求権:物権の将来の妨害を予防するための権利。
これらの物権的請求権は、行政書士試験対策としても非常に重要な部分じゃ!必ずどの物権的請求権がどんな内容なのか、しっかり理解するが良いぞ。
物権的返還請求権
物権的返還請求権とは、占有を奪われた物権を取り戻すための権利を意味します。占有とは、「その物を事実上支配している状態」のことです。

例えば、自分が所有する自動車を第三者に無断で持ち去られた場合、所有者はその者に対して返還を請求できます。これは所有権という物権に基づいた返還請求であり、「物権的返還請求権」と呼びます。
この請求は契約などの債権関係に関係なく、所有権そのものに基づいて行使できるのが特徴です。つまり、相手が誰であっても、不法に占有しているなら返還を求めることが可能となります。
自分が所有権を有している物が盗まれたから、その人に「返せ!」って言えるみたいな話?
要はそういうことじゃな。簡単な話じゃろう。
妨害排除請求権
妨害排除請求権とは、自己の物権が現在妨害されている場合に、その妨害を取り除くよう求める権利をいいます。

例えば、自宅の敷地内の物置を他人が勝手に使用している場合、その物置の所有者はそれをやめるよう請求できます。これを、所有権に基づいて妨害の排除を求める「妨害排除請求」と呼びます。
さっきの物権的返還請求権は「返せ!」だとすると、今回の妨害排除請求権は「邪魔!」みたいなこと?
その認識でOKじゃ。ちょっとお口の悪さが気になるけれども。
妨害予防請求権
妨害予防請求権とは、将来的に物権が妨害されるおそれがあるときに、その妨害を未然に防ぐための措置を求める権利です。

例えば、自宅近辺の崖で工事があるとした場合、崖崩れが発生すると家が崩壊してしまう可能性があります。その際、その者は家の所有権に基づいて妨害予防請求権を行使し、工事を止めるよう請求することができます。
これは、まだ実際には相手方からの妨害(崖崩れ)が現実にはなっていないが、現実化する前の予防措置として機能します。
今回の妨害予防請求権は「〇〇が起こったらどうすんだ!ヤメろ!」ってことかあ。
な、何か嫌なことでもあった..?
物権法定主義とは?例を踏まえてかんたん解説

物権法定主義とは、「どのような物権が存在するのか」や「その内容・効力」については、法律に定めがあるものに限るという考え方です。
つまり、当事者が自由に新しい物権をつくることはできず、民法などで認められた物権だけが効力を持ちます。この原則によって、契約等における取引の安全性が確保されています。
例えば、サッカーの公式戦があるとして、1ゴール1点と決まっているのに、選手が急に「今から1ゴール2点ね!」と新たにルールを作ることはできんじゃろう。これと同じで、物権も「各人それぞれで決めるのではなく、元々あるルールに従いましょうね」というお話じゃ。
物権変動とは?

物権変動とは、所有権や抵当権などの物権が発生・変更・移転・消滅することをいいます。たとえば土地を売買して所有者が変わった場合や、借金の担保として抵当権を設定した場合などが該当します。物権変動には「意思表示による変動」や「登記の有無による対抗関係」など、試験でも重要な論点が含まれます。
この解説記事のまとめ
物権の解説は以上です。本試験でしっかり得点するには、まだまだ理解・暗記すべき箇所がたくさんあります。行政書士受験生向けの講座はこちらにてご案内しておりますので、是非ぜひ受講をご検討ください!
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